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  • 執筆者の写真安田鍼灸治療院

安田鍼灸治療院の初ブログ記事です!「咳の治療」

 安田鍼灸治療院のホームページを開設いたしました。

 長野市に開院・開局して37年。

 薬局と鍼灸治療院を併設し、東洋医学・西洋医学の総合的な観点から患者さんのケア活動を行っています。


 初のホームページとブログ開設ということで不慣れな部分もありますが、日々の活動や季節に合わせた東洋医学のお役立ちコラム記事などを投稿していきたいと思いますので、ぜひこまめに足を運んでみてください。


 さて、季節も本格的な冬を迎え、今年は暖冬というものの風邪やインフルエンザに罹られた方も多いのではないかと思います。

咳が残ってしまう症状、今年はとくによく聞きます。


 院長が以前、所属している日本鍼灸師会のメールマガジンで配信した「咳の治療」についての記事をご紹介したいと思います。


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「咳の治療」


 秋の終わり、我が愚娘が風邪をこじらせ咳が中々治まらず、相当辛い様子で会社を休んで近くの呼吸器内科へ行く始末。

 帰りに麦門冬湯を処方されて飲んではみたものの、少し楽にはなるけど中々治らず、女房殿に鍼灸で治して下さいと頼まれ、肺経に鍼と灸を施術しました。

 がしかし、これも楽にはなるものの決定打にならず、久しぶりに秋の夜長に古典を引っ張り出し読んでみると、素問の咳論に咳の病症が記載されていました。


 肺咳は、冷飲により胃が冷えると胃の陽気が不足して肺が冷え、咳が出る。身体が冷え肺が弱った為、咳が出る。肺経、脾経を補うと治る又胃を温めるとある。

 心咳は、胸に熱がこもり、胸痛、咽中乾燥感、咽痛の症状を伴う。肝経の中封穴と肺経の魚際穴を補う。咽痛が顕著な時は、腎経の太谿穴を補う。

 肝咳は、肝熱のため両方の脇腹が痛む。咳が長引くと胆汁を嘔吐する。肝熱により肺のうつ熱が生じる。肺経、脾経を補い肝、胆を寫す。

 脾咳は、右脇の下腹が痛んで重苦しくなる。肩、背にひびき痛みわずかの動作で咳が激化する。嘔吐の症状があれば、大陵穴、脾経の太白穴、胃経の衝陽穴を補う。

 腎咳は、咳が出ると腰や背中が痛む。ひどくなると失禁したり、ぎっくり腰になる。肺経と腎経、または腎経と関係を治療する。軽い刺激を施す。


 以上の分類の他、咳は鼻汁、唾液、浮腫を伴う。肺の燥熱の咳の時は鼻汁が濃くなり唾液が粘痰にかわる。肺の湿寒の咳なら、鼻汁はたらたら流れ、唾液もよだれとなる。

 日頃古典を離れて、つい安易な治療や大雑把な治療になりがちな所に、改めて読んでみると、先人の知恵はすごいなと思い知らされました。

 知恵を授かり愚娘も何とか完治出来て、今さらながら徒に歳を重ね、浅学の身を戒める出来事でした。



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